金曜の夜は別の人になりたい

人生は割とへっちゃら

QUEEN + Adam Lambert The Rhapsody Tour

の東京公演(最終日)に行ってきたのでそのことを書きたいと思う。その日は乾燥が酷くて朝起きた時点で目がもう乾いていた。コンタクトレンズを付けて天気予報を見ると、東京の最高気温は17度まで上がると書いてあった。間違って桜が咲いてしまうんじゃないかなと思った。

仕事は早めに切り上げる予定だったのに何だかんだで定時を10分くらい過ぎてしまった。帰らなきゃいけないのに何も終わってなくて、思わず「あーもうどうでもいい」とひとりごとを言ってしまった。斜め前の席の人がこっちを見ていたけど、そういうのも含め全部どうでもいいと思いながらパソコンを閉じた。

水道橋に着いたのは開演の15分前だった。東京ドームの入り口付近にはたくさんの人がいて、記念写真を撮ったりして賑わっていた。紅白にも出てたし、やっぱりQUEENって人気なんだなと思った。客層は50代60代が多いように見えた。

私はあまり熱心なファンではなくて、QUEENについてはベストアルバムしか聴いたことがない。少し高額なチケット代を払ったのは、ブライアン・メイ氏が元気なうちに見ておきたかったから。行けるうちに行っておかないと後悔すると思ったから。

1曲目はRadio GA GAだった。特に思い入れはなかったけど何故か泣いてしまった。チケット代が17000円もしたことも、隣のおじさんが少し動くたびに漂ってくる加齢臭も、明日や明後日の憂鬱も、全てどこか遠くに吹き飛んでいった。心が軽くなったような気がして、あともう少し生きれそうだな、とか思ってしまった。

往年のQUEENは、産業ロックだの商業ロックなどと評されていたと聞いたことがあって、私にはそれがどういう意味なのかが分からなかった。当日のセットリストは誰でも知ってるような代表曲が満載で、かつ盛り上がるところだけをかいつまんで演奏しているような場面もあったから、ライブというよりはショーという印象が強かった。お客さんの楽しませようという気持ちが感じられたし、実際楽しかったのだけど、確かにそういう部分は商業的であると捉えることもできるのかもしれない。熱心なファンの方々は思うところがあるのかもしれないけど、ミーハーでライトなファンである私にとっては楽しい時間でしかなかった。Bohemian Rhapsodyも生で聴けて嬉しかった。あっという間の2時間半だった。

帰りは物販に寄ってツアーTシャツを買った。物販はめちゃくちゃ混んでいて、文字通り長蛇の列になっていたから心が折れそうなった。少し早く会場に入って、先に買い物を済ませておくべきだったな、といつも反省する。欲しいものが売り切れているときもあるし、絶対そうしたほうが良いことは分かっているのに。

ツアーTシャツを買い終わったころには22時を過ぎていて「あーもう」と心の中で思った。もしかしたら声に出てしまったかもしれない。水道橋駅の周辺はまだ混雑していて、電車に乗るのが大変そうな雰囲気があったから、ひとつ隣の神保町駅から帰ることにした。水道橋神保町間を歩きながら、セットリストにKiller Queenが入ってなかったことに気付いた。また来日してくれたら良いなと思った。