金曜の夜は別の人になりたい

人生は割とへっちゃら

本を読むことについて

昔、自己啓発本を読んでもあまり得るものがないから読まない、と言っている人がいた。その人は(私から見たら)仕事ができる人で、いつも何かを改善しようとしていた。例えば、手作業でやっている業務があれば、PowerShellVBA などで自動化し、手数を減らせそうなものは減らし、無くせるものは無くそうと考えている人だった。なるべく属人化しないような環境を作ろうともしていて、ログや履歴を重要視しながら、その人は働いているように見えた。

その人曰く、自己啓発本には当たり前のことしか書いてないから苦手らしい。偏見が入っているようにも感じたけど、その人が放つ言葉には謎の説得力があり、確かにそうかも、と納得してしまったのだった。

かく言う私も自己啓発本はあまり読まない。その人の影響とかではなくて、単純に面白くないから読まない。好みの問題である。自己啓発本を読むことは悪いことじゃないと思うし、それを読んだ誰かが何らかの学びや感情の動きを得ることができるのであれば、それはそれで良いことなんじゃないかなと思う。

あまり読んだことないけど、自己啓発本には、執筆者の個人的な経験や、それ経て執筆者が当たり前として考えるようになった事柄が書いてあるという印象がある。当たり前なことは人によって違うから、そういう本を読んで色んな人の当たり前を吸収できるのは良いことだと思う。てか自己啓発本に限らず、本全般にはそういう役割があると思う。

自己啓発本が好きな人がいるように、ライトノベルが好きな人もいる。個人的な好みの問題だから、官能小説を苦手に感じる人や、推理小説が苦手な人もいるだろう。本からだけでなく、実体験から学ぶこともあるはずだから、そもそも本を読まない人がいても良い。誰かの経験とそのあとの学習については、どのような形であっても財産だと思う。

誰かの考えに触れることは楽しい。人と話すこともそうだけど、本を読むことについてもそうだ。深く知りすぎると疲れちゃうけど、色んな人がいるんだなと分かる。本を読むときはいつもひとりだけど、ひとりではないんだなと思う。ブログを読んでいるときもそのような気持ちになることが多い。