金曜の夜は別の人になりたい

人生は割とへっちゃら

20240506

朝早い時間の新幹線に乗るため、今朝は早起きして黙々と帰る準備をした。淡々とした何もない時間だった。慌ただしさは特に無かったし、次はいつ帰ってくるの?みたいな親との会話も特に無かった。 朝7時くらいに実家を出て、駅に向かって歩いている途中で「明日からまた仕事かあ」なんてことを考えてしまい憂鬱な気持ちになった。あと、昨日の夜から鼻の奥がムズムズするから「猫アレルギーになっちゃったのかなあ」みたいなことも考えていた。

東京に着いて新宿に向かう電車の途中、学生のころに住んでいた街を通り過ぎた。あの頃よく行ってた安いスーパーはまだあるのかなあ、などと思いながら電車の窓から見える景色を眺めていた。だけど背伸びしても全然見えなくて少し残念だった。当時、そのスーパーで安売りされていた豆腐とか、もやしとかをよく買っていたのだった。今はもう物価高騰の波に飲まれて、当時のような安い値段では買えなくなっているかもしれない。本当は途中下車して1、2時間くらい散歩したいんだけどなあって思った。

自宅の最寄り駅に着いてすぐ、帰ってきなあと思った。この街に越してきてもう6、7年くらい経つ。学生の頃に住んでいた街も4年くらい住んでた。住む場所も人間関係もそうだけど、長く続く理由があるから長く続くのではないかと最近は考えたりしている。相性というか、背伸びしなくても大丈夫な感じというか、シンプルに好きとか、居心地が良いとかなんとか。言語化は全然出来ないけど、きっと何かしらの理由が明確にあるんじゃないかなあと思う。

自宅の最寄駅に着いて、駅近くのスーパーに寄った。何も欲しいものが無かったから何も買わずに店を出た。行きと帰りの荷物は同じで、重量も同じはずなのだけど、帰りのほうが重く感じてしまうことが不思議だった。それは疲れから来るものなのか、それとも別の何かが質量を成しているのか、検討も付かないし分かる訳もなかった。

帰る場所はひとつだけではないかもしれない。帰り道、そのようなことを考えながら歩いていた。5月初旬だというのに湿度が高く、ジメジメとした夏みたいな天気だった。