金曜の夜は別の人になりたい

人生は割とへっちゃら

音楽が好き

な理由はいくつかあるはずなんだけど、正直なところどうしてこんなにも音楽が好きなのかが自分でもよく分からない。私は自分のことがあまり好きではなくて、だからこそありのままに表現された何かに、あるいは表現できる誰かに、得体の知れない興味があるのかもしれない。

誰かに分かって欲しいとか、認めてもらいたいとか、そういった気持ちから何かを作った経験がない。毎日の仕事も、昔バンドをやってたときに作った曲も、あるいはこの記事も、いつだって一人称で捉えられる範囲の狭い世界の中にある。だから誰かに分かってもらえなくても問題はないし、誰かに認めてもらえなくても構わない。

音楽が好きすぎて自分で曲を作ってしまうような人は、私を含めて少し変わってる人が多いと思う。なんだこいつ変なの、と思ってしまう人にも出会ったことがあるけど、私はそういう人たちが割と好きだった。私を含め殆どの人たちは、大衆からの評価を得ることができず、挫折という名の海に溺れて消えていってしまった。そのことがすごく悲しかった。

続けることも才能である、みたいな話を聞いたことがあるけど、続けること自体が才能なのだと私は思う。継続は力なりって言葉が真理なんじゃないかなと。1年でも半年でも3ヶ月でも、とにかく一定期間続けることができたのであれば、それはその人の才能なんじゃないかなと思う。でも三日坊主はちょっと違うのかもしれない、ものすごく偉いことだとは思うけど。

続けることについての解釈は難しいと思う。例えば、24時間365日ピアノを弾き続けるのは無理だから、それは継続ではなくて無茶だ。隔週で1時間のピアノ教室に通うことは継続と呼べるし、才能と呼んでも良いと思う。2週間のブランクが生まれてしまうのかもしれないけど、それを知ってるのは自分だけなのだから、知らんぷりしてしまえば良いだけの話だ。

何事にも一時停止は必要だと思う。音楽にも休符という記号があるくらいだ。休符のあいだ手を休めたとしても、その音楽の全てが終わってしまう訳ではない。手を休めている間も音楽は流れ続けていて、その休符がないと音楽は完成しない。

私は音楽のそういうところが好きなのたと思う。そしてたぶんこれからもずっと好きだと思う。