金曜の夜は別の人になりたい

人生は割とへっちゃら

20240226

2020年以降の私は何も進展していない。コロナのせいにしているけど実際は全部自分のせいだ。

2020年2月ころ、関西に出張に行く機会があった。そのときはまだコロナの規制は緩かったんだけど、出張にいく人は最小限の人数に絞ろうという話になり、私はその人柱に選ばれてしまった。どの店に行ってもマスクが売り切れていたからか、会社から数枚のマスクが支給されたことを覚えている。1週間くらいの出張だったから数枚のマスクじゃ足りなくて、残りの日数はどうすれば良いのだろうと不安だった。運良く出張先のホテルのアメニティに無料のマスクがあったら大丈夫だったけど、あの出勤は断っても良かったんだろうなと今になって思う。その2ヶ月後にはフルリモートでの勤務に変わったのだから。

こんなに働きかたが変わるなんて思っていなかった。家で仕事をするなんて想像もできなかったし、絶対サボってしまうだろうという自信しかなかった。でも意外と順応できたことは、今より少しだけ若かったからできたことなのかもしれない。

この頃から独立のことを考え始めていた。昇進とか組織力強化とか人材育成とか、そんなん知らんしって話がチラホラされるようになっていて、なんとなく会社員という立ち回りに限界というか、しんどさみたいなものを感じ始めていた。コロナ禍じゃなかったら独立してたんだけどな、と思うけど、もしも本当にコロナ禍じゃなかったら、私は一体どうしていたのだろう。

そのときに独立していたとしたら今年でもう3、4年経っていたはずだ。ここ最近の数年間は本当に空っぽだったように感じる。貴重な時間を無駄にしてしまったような気がしている。多くの場合、意味は後付けできるものだとは思っているけど、この期間には何の意味も付けられそうにない。

コロナ禍の時間でだいたい400本くらい映画見ましたね(笑)とか言って笑い話にしてるけど、実は全然笑えないんだよな。しかもその400本のうち本当に感動した映画は2、3本くらいしかなかったし、本当に本当の暇つぶしでしかなかったんだよな。

あのときは先が見えなさすぎて動くのが怖かった。今よりもっと何も考えてなくて、ほとんど別人だった。全て自分のせいだ。

そのようなことを考えながら電車に乗って音楽を聴いていた。iPhoneに入っている音楽アプリをランダム再生で。そのときにふとThe KillersのDying Breedが流れて来た。

君が僕に何を求めているのかが分からないし、時々どうしていいか分からなくなる。足掛かりがなかっかたらどうするつもりだった?僕は自分がした約束を覚えているよ。自分が落ちてしまった理由もね。必要なものはそろっているよ。僕たちは廃れていくだけの種族だ。

私は泣きそうになってしまった。気付かなかったけど、電車の外を見たら良い天気だった。音楽も良い天気も味方してくれているような気がした。ぐずぐずしているだけでは駄目だなと感じた。