金曜の夜は別の人になりたい

人生は割とへっちゃら

20230927

実家には猫がいる。元々は野良猫だったらしく、慢性的な鼻炎のような持病を持った白い猫だ。いつもほんのり鼻水を垂らしているから少し気の毒ではあるが、その抜けた感じが可愛らしくてちょっと好きだ。

母はその猫と一緒に暮らしている。母はパートをしており、日中は留守にすることが多い。そのせいか帰ってくるなり猫が抱っこをせがんでくるらしく、甘えん坊すぎていつも困っていると母は嬉しそうに話していた。

野良猫だったくせに外に出たがらないから変わった猫だ、とも言っていた。とても臆病な性格なのだそうだ。室内のトイレの場所を覚えるのも早かったらしく、実は賢いところもあるらしい。本当に出不精な猫なんだな、と思ったが出不精なのは自分も同じだから人のことは言えない。

トイレの猫砂はいつも楽天で注文して実家に送っている。猫砂は意外と重たくて1袋あたり5キロくらいある。いつもまとめて購入し実家に送っているのだが、この間は間違って自宅に送ってしまったのだった。ただでさえ狭い部屋に、絶対に使わない猫砂がたくさんある状態に今なっている。

猫砂はいったん玄関に退避している。間違って注文してから1か月くらい経ってしまっているので、いい加減実家に送らなければならない。それは重々承知しているのだが、発送の手配が面倒臭くてやる気になれない。困ったものである。

そもそも玄関はちょっと狭い。猫砂によって、より狭くなってしまったことは非常に不便である。だが1ヶ月もこの状態だと少々慣れが生じ始めている。間違いなく不便であるはずなのに、何も思わなくなりつつある。不便さを受け入れ始めているのだ。非常に良くない傾向である。

玄関にある猫砂は自分の駄目なところの全てだと感じる。早く何とかしなければならない。猫砂を実家に送ることで、変わっていく世界があるような気さえする。

それではコンビニで元払いの伝票を貰ってこよう。コーヒーと炭酸水だけ買って満足しないようにしよう。そのあとは集荷をかけよう。業者はコンビニで貰える伝票で決めよう。クレジットカードが使えなかった場合に備えて現金も少し下ろしておこう。てか全部ネットからできそうだ。なんちゃらメンバーズにならない手はない。

リカバリに無駄な時間を掛けるのはいつものことだ。始めからちゃんとできればどんなに楽なのだろうといつも思う。でも別に良いんだ。たぶんそこはもう直せないから。とりあえず今日は猫砂を何とかして、いつものちょっと狭い玄関を取り戻してみようかと思う。